ハイライト
- 体重管理と疾病予防は、一人ひとりに合わせて個別化するパーソナライズドニュートリションの最大の推進力です。
- サプリメント部門は、2028年までにパーソナライズドニュートリション市場の中で最大のシェアを占めると予測されています。
- 健康を支える栄養成分の需要は依然として高く、個別化した栄養サービスや製品に重要な機会を生み出しています。
COVIDに刺激された健康への関心の高まりは、一人ひとりに合わせたパーソナライズドニュートリション市場を今後の力強い成長に向けた絶好の位置に押し上げました。ここでは、この市場の概観をとらえ、さらに食品や飲料メーカーにとって重要になる洞察を加えてみましょう。
パーソナライズドニュートリションは、科学にもとづく多様な評価を活用して、一人ひとりに的を絞った助言や製品を提供する成長著しい分野の一つです。これらの評価は、DNAや血液中のバイオマーカー、マイクロバイオームなどを分析するサーベイ、ウェアラブルデバイス、検査キットを介して行われています。
パーソナライズドニュートリションの解析結果は、個別仕様の食事計画やサプリメントの推奨レジメンなどの形を取ることもあれば、時にはその人だけのためのプロテインパウダーとして提供される場合もあります。パーソナライズドニュートリションには多彩な魅力がありますが、最も一般的な駆動要因になっているのは体重管理と病気の予防です。ただし、アスリート向けの栄養の最適化も重要な用途として見過ごせません。
パーソナライズドニュートリション市場は急速に成長しており、2020年には83億ドルだった市場規模が、2028年までに214億ドルに達するのではないかと考えられています1。2021年から2028年にかけて予想されている市場の年平均成長率(CAGR)は13.4%の高さです2。
北米は世界のパーソナライズドニュートリション市場で最大のシェアを占めています。ただし、アジア太平洋地域は今後最も急速に成長する地域であると予測されており、対象期間におけるCAGRは14.7%です3。日本、韓国、シンガポールが同地域の成長を牽引しています。
パーソナライズドニュートリション市場では、サプリメントセグメントが2028年までに最大のシェアを占め、153億ドルの市場規模を超えると予測されています4。検査キットやソフトウェアなどのテクノロジーを含むアクティブ計測は、現在最も速いスピードで成長しているセグメントです5。
パーソナライズドニュートリションによるサービスは、医療提供者やウェルネス/フィットネスセンターのほか、消費者への直接提供など、さまざまな経路を通じて利用することができます。消費者への提供コストが下がっているため、2028年までには、消費者への直接サービスがパーソナライズドニュートリション市場で最大のシェアを占めると予想されています6。
製造者が認識しておくべき重要なポイントの1つは、パンデミック期間中にサプリメントの利用が増加したことです。これは、健康の強化を望む消費者の目がサプリメントに向けられるようになったからです。健康を支える栄養成分への高い認識と持続的な需要は、今まさに、個別化した栄養サービスや製品に重要な機会を生み出しているのです。
同時に、パーソナライズドニュートリションに関わる技術とデータ分析が、いずれも急速に進歩しています。この波は、健康モニタリングのためのウェアラブルデバイスやアプリから、大量の個人データを処理し、個別化された栄養アルゴリズムを構築するためのAIやビッグデータ分析の利用まで、広い範囲にわたっています。
また、食品や飲料を製造する企業は、パーソナルな栄養分野における共同的取り組みの傾向にも着目しておく必要があるでしょう。これには、例えばRoyal DSM社とデジタルヘルスプロバイダーであるPanaceuticsとの提携や、肥満やその他の疾患の患者向けに個別化した食事を考案するメイヨークリニックとViome社のタイアップなど、数多くの例があります。ネスレ日本では、2つのDNA試験分析ラボとタッグを組み、高齢者向けのパーソナライズドニュートリションサービスを開発しています。
成長めざましいパーソナライズドニュートリション製品のビジネスチャンスに関心のある食品や飲料のメーカーには、消費者が求める個別化ソリューションを創出するための戦略として、カスタムの栄養プレミックスを探求してみてはどうでしょう。カスタムの栄養プレミックスは、栄養素の不足を補ったり、体重管理をサポートしたりできるだけでなく、心臓や骨の健康といった問題に対処するように設計することが可能です。
パーソナライズドニュートリション市場向けの製品をどのように開発していけるか、その詳細はぜひグランビアまでお問い合わせください。